痛風について

痛風

「風が吹いただけで痛む」ということから名づけられた痛風は、日本では1960年代ごろから患者が増え始めた病気だと言われています。高度経済成長期を迎えて世の中が便利に、そして豊かになった結果、生活習慣の乱れが原因となる痛風が猛威をふるい始めた、という歴史があります。

現在では100万人を超える数の方が痛風に悩まされており、その「予備軍」とされる方は1000万人にのぼるというデータがあります。とはいえ、痛風は治療方法、そして予防方法が確立されている病気です。きちんと対処することで解消することができます。痛風のメカニズム、そして治療と予防の方法について、しっかり押さえておきましょう。

痛風の症状

症状

痛風は、激しい痛みを伴う発作が起こる病気です。「なぜそこなのか」はいまだに確たる説明ができない状況ですが、ほとんどの場合は「足の親指の付け根」に痛みが生じます。

「足がムズムズする」そんな前兆があってほどなく片方の足が激しく痛みます。1日でおさまってしまうこともありますが、1週間以上続くケースも珍しくありません。日常生活に支障をきたすほどの激痛ですが、発作がおさまると嘘のように引いてしまいます。

ただし、そこで油断して放置していると発作は繰り返し起こるようになります。発作と発作の間もどんどん短くなっていき、痛みはますます激しくなっていきます。

痛風のメカニズム

症状

激しい発作を引き起こす痛風の原因となるのは、尿酸と呼ばれる物質です。さまざまな食品から体内に取り込まれるプリン体という物質の老廃物として、尿酸は発生します。通常であれば、尿酸は血管で運ばれて腎臓に送り込まれ、ほかのさまざまな老廃物とともに尿となり、体外に排出されます。

また、プリン体は私たちの体内にもとから存在している物質でもあります。細胞を構成する重要な物質であり、プリン体がなければ新しい細胞がつくられず、新陳代謝を行うこともできません。つまり、私たちの体の中には常にプリン体があり、その老廃物である尿酸があるということです。血液を測定すると、どれほどの尿酸が血液中にあるかを示す尿酸値が出ます。

しかし、生活習慣の乱れなどが原因で、血液中の尿酸の量が多くなってしまう場合があります。尿酸値が高くなり、「高尿酸血症」と呼ばれる状態になります。尿酸値を表す単位は「mg/dl」ですが、7.0mg/dlを超えると高尿酸血症とされ、痛風の予備軍に参加することになってしまいます。

尿酸が血液中で増加すると、最終的には合体して結晶となります。この結晶が足の親指の付け根にとどまり、激しい痛みを引き起こしてしまうというわけです。

尿酸値が高くなる原因

白子

尿酸値が高まって高尿酸血症になると、痛風のリスクが生じます。では、尿酸値が高まってしまう原因とは何でしょうか?

いちばんの原因は、プリン体を摂取しすぎてしまうことです。そのことによって尿酸が作られすぎてしまい、排泄が追いつかなくなってしまいます。また、プリン体を摂りすぎる食事だけでなく、飲酒のし過ぎや過度のストレスなども原因になります。

内臓脂肪が増えると尿酸値が高くなるというデータもあります。肥満やメタボリックシンドロームも、痛風の原因になるということです。このように生活習慣が大きくかかわってくるものなので、予防や改善のためには、食事を中心に生活を見直す必要があります。

2種類の医薬品

尿酸排泄促進剤

痛風の治療や予防のために、医薬品が利用されることがあります。特に痛風の発作が起きてしまった方、尿酸値の高さが気になる方は用法用量を守って医薬品を飲み、予防と改善に努めましょう。

医薬品は主に2種類のものが使われています。ひとつは、腎臓で行われる尿酸の再吸収を抑える薬で、尿酸排泄促進剤と呼ばれています。腎臓には、血液をろ過して尿酸をはじめとした老廃物をより分けて尿としてまとめる機能があります。しかし同時に、腎臓では老廃物の中から尿酸の一部をピックアップして再び血液中に戻すURAT1という物質が働いており、尿酸値を上げる原因になっています。

健康な人の場合、再吸収される尿酸が脅威になることはありません。尿酸は老廃物である一方、体内に発生する有害な物質を浄化する働きも持っているからです。ただ、生活習慣などが原因となって尿酸値が高い方の場合は、URAT1の働きは余計なものです。尿酸排泄促進剤はURAT1の働きを抑制して、ろ過された分の尿酸はしっかり排泄されるよう促します。

ザイロリック・ジェネリックについて

ザイロリック・ジェネリック

もうひとつの薬は、プリン体が尿酸になるのを防ぐ薬で、尿酸産出抑制薬と呼ばれています。その代表的な薬がザイロリック・ジェネリックです。食事でプリン体を摂りすぎる方は、こちらの薬を服用することで痛風の予防と改善を効果的に行うことができます。

ザイロリック・ジェネリックは、アロプリノールを主成分とする医薬品です。プリン体が尿酸へと形を変えるときに介入し、高尿酸血症や痛風のリスクを回避させます。具体的に説明すると、プリン体は何度かの変容を経て尿酸になりますが、尿酸になる一歩手前のキサンチンと呼ばれる物質になっているときにアロプリノールが作用します。キサンチンを尿酸へと変容させるのはキサンチンオキシダーゼという酵素で、アロプリノールはこの酵素の働きを抑制することで、尿酸値を下げます。

生活習慣の見直し

医薬品を利用するのと同時に、生活習慣を見直すことも大切です。特にザイロリック・ジェネリックを服用する際は、生活習慣の見直しが相乗効果をもたらし、状況が劇的に改善されることがあります。「食事」と「運動」という2つの面から予防と改善に努めていきましょう。

食生活について

あん肝

食生活の見直しで大切なのは、プリン体を多く含む食品をできるだけ避けることですが、現代の食生活で完全にプリン体を摂らないのは不可能です。というのも、食品に含まれるプリン体は「うま味成分」です。たとえば「高カロリーだから含まれている」というわけではありません。どのような食品にも大なり小なり含まれています。

また、プリン体は必ずしも悪影響を及ぼすだけの物ではないので、神経質に忌避する必要もありません。特に多く含んでいる食品をなるべく避けて、尿酸値を高めないように気をつけて食事を摂るようにすることが大切です。プリン体を多く含む食品としてよく知られているのは、アン肝や煮干し、牛レバーといった魚、肉類です。

ビールもプリン体を多く含んでいることで知られていますが、グラス1杯ではそれほど多いわけではなく、グラスを重ねることで結果的に大量に摂取してしまうというケースが一般的です。

運動について

運動

適度な運動は、痛風に限らず病気を予防したり改善したりするのに役立ちますが、特に痛風の場合に効果的なのは有酸素運動です。

有酸素運動とは、文字どおり酸素を消費しながら行う運動のことです。ゆっくりと呼吸しながら体を動かす体操やウォーキング、水泳などが挙げられます。水泳は、スピード競技などではなくジョギング感覚でゆっくり行うものである場合に効果的です。 有酸素運動はストレス発散に役立ち、痛風や高尿酸血症の原因になる肥満、メタボリックシンドロームの改善に役立ちます。

一方、グッと息を止めて激しく体を動かす無酸素運動は、定期的に行えば肥満の解消には役立ちますが、同時に尿酸値を高めやすいので要注意です。短距離の全力疾走、筋力トレーニングなどが、無酸素運動の代表例です。このような運動を行うと、体内で新陳代謝が活発に行われるようになります。プリン体は新陳代謝の際に発生する物質なので、その分だけ尿酸がつくられやすくなってしまいます。

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